ウグイス
みんな楽しめへんの?
毎朝七時にウグイスが鳴く。ここは東京都中央区の隅田川のほとり、冬はユリカモメがたくさん羽を休めているし、近くの児童公園にもたくさんの鳥がいて、いつも楽しませてくれているが、ウグイスの鳴き声は初めてである。日本人の耳にはあの「ホーホケキョ」が実に有り難く聞こえ、他の鳥とはひと味違う満足感があり、春の訪れをすてきに感じさせてくれる。みかんが好きと聞いたので、ベランダにみかんと止まりやすいように、桃の枝まで用意しているが、来るのはヒヨか、時にはカラスだったりで、ウグイスは今のところ、姿はみせてくれない。
毎朝、出かける時にも近くにいる事が多く、駅までの道のどこからか聞こえてくる。決まってニコニコ顔で幸せそうに聞いているのは、お掃除のおじさん、おばさんとガードマンのおじさんだけで、後の通勤の人たちの表情はどちらかと言うと、険しく、それどころではないという歩き方である。今まで何も感じないで歩いていた道で、さまざまな事を感じ驚いた。
ドイツのミヒャエル・エンデの作品の「モモ」に、道路掃除をしているおじさんが、ちょっと、枯れ葉を残しといたほうが絵になる…なんていう具合に楽しんで仕事をしているときは、全く疲れなかったのに、「時間銀行」に時間を取られるようになって、何時にここまで掃除というマニュアルができたら、急にストレスがたまった。というくだりを思い出した。
鳥の声で目を覚まし、今、ここに存在するものだけを相手に生活していた時代から高々50〜60年で、電波嵐の中で漂流しているような子供が激増して、現実を錯覚するという恐ろしい現象が多発している。
音楽とは選んで楽しんで聞くもの。せめて、町中に流されている暴力的な音だけでも禁止できないものかと思う。
(三林京子=女優)
三林さんのホームページのアドレスはhttp://3bayashi.com
|